難易度★★☆☆☆
・論理構造に矛盾のない考え方
・相手の目的や意図の考え方
レポートやチャット、メールを書くときの流れはどのように決めていますか?思いつくままに書き綴っている人も多いのではないでしょうか?その結果、「わかりにくい」「読みにくい」と言われてしまう経験をしたこともあるでしょう。
本書「入門 考える技術・書く技術——日本人のロジカルシンキング実践法」では、相手に伝わるレポートライティングのコツが書かれています。
一通り理解した頃には、相手に伝わる文章が書けるだけでなく、自分の思考を整理する方法や相手の求めていることがわかるようになります。
読了目安時間 : 10分
要約
本書の内容は、大きく分けると下記3点です。
①読み手の疑問に答える文章を作成する
②メッセージ構造は「主メッセージ」とそれを支える「根拠」で構成する
③作成したメッセージ構造を崩さずに文字に起こす
①読み手の疑問に答える文章を作成する

「読み手の疑問に答える」とは、相手が求めている答えを文章として返すという意味です。
本書では「OPQ分析」というフォーマットを使って、読み手の疑問に対しての答えの考え方を解説しています。OPQの意味は下記のとおりです。
O(objective) = 望ましい状況
P(problem) = 問題
Q(Question) = 読み手の疑問
つまり、相手が「目指している状況(O)」に対して「抱えている問題点(P)」へ「どう対処するかの疑問(Q)」に答える文章を作成すべきということになります。文章を、自分の思いや伝えたい考えをただ伝えるツールなのではなく、相手の疑問を解決するためのツールとして使うということが重要になります。
②構造は「主メッセージ」とそれを支える「根拠」で構成する

①で作成した文章への回答(answerは)、「主メッセージ」と「根拠」を中心に作成します。
これを本書ではピラミッド構造と呼んでいます。
読み手のQ(Question)にダイレクトに答える「主メッセージ」と、主メッセージのなぜに答える「根拠」で成り立つべきという内容です。これはパラグラフライティングの基本である「1つの段落にメッセージは1つ」という原則に基づいています。
このピラミッド構造が正しくできていれば、あなたが作成している文章やレポートの段落の1文目に目を通すと、大まかな内容は理解できるはずです。逆に、一文目に目を通していっても理解できない場合は、何らかしらの構造ミスが発生しているはずです。
③作成したメッセージ構造を崩さずに文字に起こす

②の構造ができれば、あとは正しく文字に起こすことが重要です。
ここには特別な技術は必要ありませんが、とにかく構造を崩さないことが重要です。
私の意見も入ってしまいますが、構造をそのまま文章に起こすということは意識していないと大抵の人は崩れてしまいます。文章量が増えるとその分構造を意識することが難しくなるからです。
本書では文章をわかりやすくするために「ロジカル接続詞」の使用を推奨しています。
「ロジカル接続詞」とは、時間であれば「~するときに」、対比であれば「~の一方」など、2つの塊の関係をわかりやすくする接続詞です。日本語では、表現があいまいでもそれなりには伝わってしまうので、自分自身が構造把握をできているかのチェックを兼ねてこのロジカル接続詞を使うことは重要です。
この本の実務への活かし方
ここまでで要約をお伝えしてきましたが、ここからはどのように実務に落としていくべきかをお伝えします。意識すべき点は次の2点です。
①分析や返信を始める前にOPQの確認
②アウトプット・レポート・文章を人に見せる前にメッセージ構造の確認
①分析や返信を始める前にOPQの確認
依頼を受けたり連絡が送られてくると、とにかくすぐに手を動かしている人は多いのではないでしょうか?その気持ちはよくわかりますが、まずはOPQ分析から始めましょう。
「そうはいってもこれは定常タスクだから」「こんな単純な内容で考える必要はない」と思っている方もいるかもしれませんが、とにかくすべてにおいてOPQ分析を行うことが重要です。
私自身この本を読んでから何事もOPQ分析から入るようになったのですが、相手の目的が理解できるのはもちろん、その背景やプロジェクト全体の目的といった内容まで自然と考えられるようになりました。
②アウトプット・レポート・文章を人に見せる前にメッセージ構造の確認
OPQを確認して分析を行い、アウトプットができたらさぁ送信!の前にメッセージ構造を確認しましょう。あなたのメッセージは「主メッセージ+根拠」のピラミッドの組み合わせで成り立っていますか?
私がよく見てきた事例ですと、主メッセージは書けているがその根拠がずれている、1つしかないということがありました。改めて自分の作成したメッセージを見返すとめちゃくちゃな文章になっているということはよくあるので、1手間かけて文章構造は確認しましょう。
これら2点を習慣として行うことで論理構造に矛盾のない考え方や、相手の目的や糸をくみ取る力を身に着けることが可能です。
明日からできる「最初のアクション」
明日からできる最初のアクションとしては、「OPQ分析」がおすすめです。先にも述べましたが、そもそも相手の疑問に対して回答を作成できていない人が多くいます。もし仮にあなたもそうであれば、どれだけ構造がしっかりした文章・アウトプットを作成しても相手には伝わりません。
やり方はシンプルでよく、マイチャットやメモに下記の3要素を書き起こしてみることです。
O(Objective / 目的):相手が達成したいゴールは何か?
P(Problem / 課題):そのゴールを邪魔している現状の課題は何か?
Q(Question / 疑問):今、相手が自分に一番ぶつけたい「問い」は何か?
ここを外してしまうと独りよがりな文章になってしまいます。しかし、ここをしっかり押さえておくだけで大きくずれた内容にはならないはずです。まずは完璧なピラミッドは作成できなくてよいので、このOPQ分析を行ってみてください。
レビュー
この本は、ビジネススキルを磨きたいと考えている全社会人が最初に読むべき本だと考えています。私自身、新卒の際上司に薦められて手に取りましたが、仕事への解像度が格段に上がった1冊だと体感しています。それまで仕事で褒められることがなかったのが、アウトプットに対して社内共有を依頼されるほどに成長しました。
仕事ができる人、立場ができる人ほど本書で解説される「論理構造」は重視しています。重視しているがゆえに、ロジックがずれている内容はすぐに気が付きますし、低く評価します。もしこの記事を読んでくれている方でまだ「入門 考える技術・書く技術」を読んだことがないという人がいればぜひ読んでみてください。
この記事が少しでも皆様のスキルアップに貢献できていればうれしい限りです。ではまた。
広告代理店でSEOの仕事をしています。
趣味は読書とサッカー観戦。本ブログでは、本で得た知識を「どう仕事に活かすか」を中心に自身の考えを発信しています。

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